知覚過敏とは虫歯でもないのに歯がしみる状態をいいます。
自覚症状として多い訴えが
「つめたいのがしみる」
「はぶらしをあてると痛い」
「つめでひっかくと痛い」
などです。
原因としては以下のことが考えられます。
歯周病で歯ぐきが下がり歯の内側にある象牙質が露出してしまう場合。
象牙質が露出してなくてもしみる場合は、食いしばる癖や歯ぎしりで歯にひびがはいったり、表層のエナメル質がはがれ象牙質がでてきてしまう場合。
歯みがきの回数が多かったり、力が強かったり、硬い毛の歯ブラシを使ったりなどのオーバーブラッシングによる機械的なダメージが原因でおきる場合。かみ合わせによる不調和が原因でおきることもあります。
痛みの出る機序としては以下のような仮説(動水力学説)が考えられてます。
象牙質の中には歯の神経の枝である象牙細管という管があり、歯の神経のおおもとである歯髄につながってます。管の中は液体で満たされていて、冷たいものを食べて液体が冷えると液体が縮み、酸っぱいものを食べるとそれを緩和するために液体が動きます。
このような現象を神経が痛みと感知してしまいます。これが知覚過敏の原因といわれてます。
治療方法には原因・症状の程度から個々の状態に応じて下記のなかから選択していくことが多いと思います。
薬剤およびコーティング材の塗布
知覚過敏に特化した歯磨きペーストの使用
歯周病の治療
スプリント(マウスピース)による治療
レーザー照射*による治療→レーザー照射治療は健康保険適用外となります。
神経をとる(抜く)治療←上記の処置をおこなっても症状の改善がみられ ないときのみ
ほかには、かみ合わせの調和がとれていないと判断したときのみ「かみ合わせ調整」をおこなうこともあります。
象牙細管が開いてしまっている歯の表面に封鎖物(ハイドロキシアパタイトやシュウ酸カリウムなど)を塗ることにより保護膜を形成します。また神経周囲のカリウムイオンの増加が神経伝達の阻害に有効であることがわかってます。
TCHとは歯の接触癖(Tooth Contact Habit) のことをいいます。(以下、TCHと略す)最近メディアでも取り上げられていることがあるのでご存知のかたもいるかもしれませんね。
通常歯の接触は一日10分から20分程度です。ものを食べてるときには歯の接触はありません。ものを飲み込むときに歯は接触します。この時間をトータルすると前述の時間となります。何もしていないとき上下の歯の接触はありません。たとえ口を閉じていたとしても上下の歯は触れ合っていません。
ところが最近の調査研究で、上下の歯を接触し続ける人たちに顎関節症患者さんが多く含まれていることがわかってきました。
歯は消耗品です。(もちろんわれわれ人間の身体はすべてが消耗品ですが・・。)歯が接触することによって歯は消耗します。TCHのある方たちはない方たちと比べると何倍も早く歯のすり減りがおきます。その結果かみ合わせの変化やそれに付随して起きる顎関節症症状、知覚過敏症状、歯の破折さらには歯周病の進行悪化などさまざまなことが起こりやすくなります。